情熱大陸そのまえに
ほんとのほんとに備忘録。
情熱大陸見たあと自分がどんな感情でいるか分からないから、現時点の自分のこととここまでの経過を書き残しておく。
忘れたくない感情も、ちょっとした思い出も、できれば整理して形に残しておきたい、と思う性癖。
8月30日。
恒例になりつつある友人宅でのDVD鑑賞会に出向く。
自分としてはあまり馴染みのない「海の近くの家」なので、早めに出て海岸を散歩。
無音でいるのもなんだか、(というか特にコロナ禍において、無音がとても苦手になってしまった。思想が潜り過ぎるので)と思って、延々ラジオを聞く。
「MIU404」に激ハマりした影響で「星野源のオールナイトニッポン」を聞き始めていたので、そのままの流れで「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」にも手を出してみた。
これが本当に運命の出会いでした。
流れてきたのは、名前だけなんとなく聞いたことがある、ヒップホップユニットの声。
「たりないふたり」とかを聞いたことがあったのかな、たぶん。見てたし。
正直そこまでヒップホップに興味もなくて、だからほんとに暇つぶしの感覚だったのに、この一回で見事に落ちた。
ファッションや食べ物や自分たちの年齢感に対する自意識だったり劣等感だったりを、あまりにも愉快に明け透けに楽しげに語ってくれるものだから、某海岸公園を歩きながらマスクの下でゲラゲラ笑った。
未だに忘れられない、Rさんの「俺を置いとかんといてくれよ」というキラーワード。
芸人さんだって、こんな完璧なタイミングで完璧なワードを放り込めるか?って唖然とするぐらい、完璧な展開だった。
かと思えば、どうやら彼らに大きな影響を与えたらしい、オードリー若林さんに対する熱過ぎる思いを吐き出したり、めちゃくちゃかっこいい曲を流してくれたりするものだから、一体こいつらは何者なのだ、と。
その場で「かつて天才だった俺たちへ」をiTunesで買ったのでした。
そこからは本当に怒涛で、配信されている曲を全て買い、YouTubeでPVやらライブ映像をやらを見漁り、古いインタビューを読み漁り(これただの「阿婆擦れ」だなってあとで思った)、関連人物を掘りまくった(ラッパーの名前をたくさん覚えたし、ライムスターの何曲かはイントロで分かるようになったし、梅田サイファーのメンバーも覚えた)。
わたしが勝手にイメージしていたヒップホップとは全然違ったな。
聞き取りやすい発音、馴染みのある言葉選び、理屈はわからないけど聞いているだけで気持ちが良いリズム感や韻の踏み方。
心地良いのにどこか引っかかるメロディーやビート。
すぐに覚えて口ずさめるようになった。
2人のルックスがひとっつも厳つくなくて、怖くなくて、そこらへんにいる優しげなお兄ちゃんたち、っていうのもたぶん大きかった。
わたしの大好きな「オタク特有の早口だけどちゃんと聞き取れる話し方」とか、「こっち側置いてきぼりでとんでもないテンポで進むトーク」とか、そういうのも大事だったかな。
好きになる要素しかなかった。
好きになったタイミング、奇跡的だったと思う。
まだ「かつ天」のリリースライブのアーカイブが見られる期間内だった。
直後にOKAMOTO'Sとの配信ライブが見られた。
Mステに2回出て、バラエティのレギュラーが決まって、ドラマにも出てる。
松永さんのエッセイの連載が始まって、「サウンドクリエイターズファイル」で6時間がっつり来歴を語るのを聞けた。
今の彼らを追いかけながら、過去の彼らを掘り起こす作業をしていたら、あっという間の2ヶ月半だった。
唯一間に合わなかったな、って悔しかったのは、はじめての武道館ライブ。
当たり前だけどとっくにチケットは完売していて、どういう形でやるのかはわからないけど、絶対やる、って言葉を聞いて、生配信とかあるっぽいな、ほんとは生で見たかったけどな、でも公演には間に合ってよかった、って思っていたのに。
ひょんなことから現地チケットが取れてしまった。
二日目、見切れ席。
ついこないだ彼らを好きになったようなわたしが、見に行ってもいいのか?とも思うけど、でも、こんなこともう早々ないだろうし、次がいつになるかわかんないし。
で、訳の分からない精神状態で武道館に臨んだ。
ここまで書いて、情熱大陸始まっちゃった。
2か月半前に好きになった人たちの初武道館公演と情熱大陸をリアルタイムで見られるなんて、こんな僥倖ある?
武道館の感想はまたちゃんと書こうと思うけど。
情熱大陸、ぜんぜん悲しくなくてギスギスもしてなくてよかったな。
べそべそ松永さんはいなかったけど。